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放射能防御を考える [日常]

人間、何かの運命を感じずにはいられないことがある。今年の春、自分は東京から福岡へ移住してきた。それは震災や原発事故とは関係の無いことで、数年前から仕事の探りを入れ、教育環境の良い居住地を調べ、時間をかけてやってきたことである。去年の段階で収入的に問題の無い職場と契約し、仮住まいの手配に入った。 今年の3月には有給消化生活に入り、引っ越しの準備をし始めていた。その矢先にアレが起こった・・・。

アレから半年弱、もはや今そこにある危機はなくなったものの、遠く離れた首都圏の状況はずっと気にしている。高度に発達した物流が仇となり、ここもまた放射能フリーではいられない。自分らは幸運にも比較的少量の被爆で済んだはず。この状態をキープし続けるのが、運命に対する恩返しじゃないだろうか?ウチらの放射能防御プロジェクトは発動している。

子供らは何とか留守番できるレベルになってきたので、昨日9/3は春日市のクローバープラザへヨメとふたりで行ってきた。市の持ち物と思われるが、スゲー立派な建物だった。

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5階501の15時開始。

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木下黄太氏の講演会。福岡の有志がお呼びしたとのこと。

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会 場はスタッフ含めて80−90人はいたと思う。満席だった。ざっと見、2/3くらいは女性(ママ世代)と思う。ヨメさんが名簿を見て、東京の人が多かった とのこと。おそらくは疎開組のことだろう。大半はやはり地元の人。福岡在住にしてこの関心の高さは、汚染物質の流入に敏感になっていると言うことである。

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予定通り3時から講演が始まった。経歴、JCO事故取材の経験から始まって、土壌調査の結果から被爆地帯を紐解いていく。東京はもちろん立派な被爆地なのだが、これを公の場で言える人は案外少ない。愚民に安全安心を説くのが使命だと思っている御用学者と違って、健康被害のラインについての一定のポリシーがある。それだけでも聴講する価値があるというもの。少なくとも彼は煽動的な人物ではないという印象を受けた。「人間は決して放射能には勝てない、逃げるのみ」「東京の人は被爆したことを認めたくない、気づいていながら押し黙っている」「今は戦時、平時の常識が通用しない」言われてみれば当たり前のことを素直に認識することなのだ。

勢いで二部の懇親会まで参加。地域別にテーブルが分かれた。自分らは心情的な意味で東京からの疎開組に加わった。懇親するはず・・・ だったのだが、木下氏はまだまだ話し続ける。ほとんど被害の及んでいない九州は日本の食料、居住地の生命線だから、絶対守るべきだと。玄海原発無理ポと。 質問コーナーに突入。東北に住んでいた女性は地元が復興ハイになっていて話にならないとこぼしていた。東京に戻れる時期はいつくらいかと問うた女性にヨメ さんが共感していた。

ちなみに木下氏は自分と同い年だった。こういう世界に生きる人生もあるのだなと思ったり。ペットボトルのブレンド茶を飲みながら聞いてる自分らはちょっと意識が低いかなと反省。

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帰りに天神でヨメさんとお話。この半年、穏健危険厨の自分とフェンスシッターのヨメとは何度もぶつかったが、ようやく共通認識が出来たと思う。東京の家は速やかに売る方向へ。どうせもう住むことはない。

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我が家系の生存戦略。子供らは学校も就職も東には行かせない。少なくとも数世代は、東京以遠に住まないよう言い遺そうと思う。自分の世代で出来ることは九州をクリーンに保つこと。



しかし今日のダイエー……

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コメント 9

おおふじ

私、関西に住んでいて放射能への意識が足りない人間の一人です(汗)
それでも生鮮品を買うときに産地を気にしたり、国産牛を買わなくなったりしてます。
「除染」とは放射能を中和して減らすことかと思い込んでいたのですが、
原発事故のあと、汚染物質をどこかに集めておくことなんだと知りました。
「除染」という文字はごまかしを含んでますよね。祈祷師が悪霊を払うような
イメージを振りまいてますし・・・
by おおふじ (2011-09-05 09:36) 

memorycam3D

高濃度汚染地域への除染とは住民の不満を和らげるためだけの玉虫色の言葉と思います。広大な田畑とか森林とかどうしようもないですから。もし何百兆円もつぎ込むなら、ある程度除染が有効と思われる首都防衛に使うべきと木下氏は主張していました。政治家もわかってるとは思うのですが、それが言える勇気のある人はいないですよね。
今度の環境相は汚染瓦礫を全国にばらまきたいと言ってますので、ご注意を(おそらくは福島の中間施設貯蔵で終わるとは思いますが)。
by memorycam3D (2011-09-06 14:14) 

勝手だな

逃げられる人は逃げればいい。
置いてきたものを背負えばいい。
何かおこったときには、逃げた人が逃げられなかった人を支えてくださいね。
by 勝手だな (2011-09-11 13:51) 

memorycam3D

お気に障りましたらごめんなさい。どう表現しても傷つく人はいると思うのですが、何か意見を言わざるを得ない気持ちです。範囲の認識に違いはあるものの、日本に取り返しのつかない地域ができたのは確かです。その分、西日本は相応の負担が求められるでしょうね。

ちなみに東京の比較的高線量の地域に住んでいる自分の妹は全然気にしてないようでして、兄としてウーンと思ってはいるのですが、首に縄をつけてまで連れてこようとは思ってないです。
by memorycam3D (2011-09-11 17:22) 

高校生A

原発問題・・・か。
現地の方々が危険な気がする、くらいしか思ってない自分。。
危機感が無いのか、他人事と思っている無知なのか。

そういえば、福島県産の桃使用ドリンクに最近 はまって結構飲んでました。
それに、福島県産の食べ物は以外と結構食してます。

安心?いいえ、気にしてないだけですよ(笑)

放射能が危ないのは周知の事実ですが、
それを気にする気にしないは、個人に委ねたいと思ってます。
by 高校生A (2011-10-26 23:12) 

高校生A

誤認されそうでしたので一応。

訂正:
(6行目)
それに、福島県産の食べ物は、意外と結構食しています。
by 高校生A (2011-10-26 23:17) 

memorycam3D

いやいや、若い人は食べちゃダメですよ。成人については議論がありますけどね。特に桃なんて食べなきゃ食べないですむものですから。日本の将来のために控えてくださいませ。
by memorycam3D (2011-10-27 09:59) 

falcon

放射能の影響を考えると、広島や長崎はどうでしょうか?
いまだに影響があるのでしょうか?
もし、そうだとすると、中国・四国・九州も危ないということになります。

私は、広島も長崎も福島もまったく心配していません(爆)

参考
日本の「被曝限度」は厳しすぎる:復興ニッポン いま、歩き出す未来への道
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20111012/223166/?ST=rebuild
by falcon (2011-11-03 14:43) 

memorycam3D

広島や長崎は見事復興しましたね。先人の努力には頭が下がります。
しかし広島長崎の放射能は爆発した日がMAXで、その後は減少していくのみですが、福島の原発は今も陸や海洋を汚染し続けています。その量も少なくとも2桁くらいは多いようです。爆弾による被曝と、いつまでも収束しないダラダラした被曝は分けて考えたいです。

あと、偉い人なのでしょうが、物理屋さんは被爆の健康被害については専門外だと思うのです。博士の主張は一面的、文献的であり、未知の領域を先入観を排して観察するという科学的な姿勢すら欠けています。まあ彼にとっては異国の未来の世代がどうなろうが、興味ないでしょうけど。
by memorycam3D (2011-11-04 10:59) 

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